
概要
品質管理部は、適正な製品作りのために製品標準書または製品仕様書の内容確認と承認を手始めに、製造が開始されると入荷原材料の検体採取、原材料の委託先の試験成績書との照合、確認と製造管理責任者への試験結果報告、バルクの特性試験、取り決めによる中間製品の検査及びサンプル採取による製品検査、製造指図・記録書での製造管理の照査、確認、出荷判定と製造管理者への報告の他、測定機器などの検査設備の点検と校正、標準品及び試験検査に用いる試薬・試液の管理、検査記録書の保管管理を担っている。
品質管理業務
製品標準書または製品仕様書の内容を確認し、適正な製品化工程に問題がないか照査し、承認する。
製品標準書または製品仕様書、並びに委託先との取り決め事項に従い、入荷した原材料から検体を採取し、目視または分析試験を行い、適正な原材料であるかを確認して、製造管理責任者に報告する。
バルクの試験は主に粉末・顆粒及び錠剤に分かれるが、以下の特性を試験し、製造時の分包条件設定や作業時の注意事項を報告する。
- (1)基本的な性質
- 外観・臭気・水に対する溶解性・粉だち・流動性・充填性・帯電性を調べる
- (2)粗比容と密比容及び使用マスの選定
- 粉末1gの体積を算出、標準マスで対応マスを推定する。
- (3)水分吸収度
- 湿度31%、50%、60%、75%の4種類のデシケータで、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後及び24時間後の水分吸収率を測定し、バルクの吸湿性から適正な湿度環境を提案する。
- (4)乾燥減量
- 105℃で3時間または60℃、減圧3時間で、乾燥するとき失われる水分及び揮発性物質の量を測定する。
- (5)粒度分布
- 75μm以下、75~150μm、150~250μm、250~355μm、355~500μm、500μm以上の6種類のふるいを用いて粒度を測定し、バルクの噛み込みや粉立ちを判断する。
- (1)基本的な性質
- 外観(形状)や臭気を調べる。
- (2)寸法と重量測定
- 30錠の外形寸法及び重量を測定し、平均値・標準偏差・最大値・最小値を求め、分包時の設定重量範囲を決める。
- (3)水分吸収
- 湿度31%、50%、60%、75%の4種類のデシケータで、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後及び24時間後の水分吸収率を測定し、錠剤分包時の適正な湿度環境を提案、製造時の注意を促す。
- (4)乾燥減量
- 105℃で3時間または60℃、減圧3時間で、乾燥するとき失われる水分及び揮発性物質の量を測定する。
中間製品の検査は、原則として製造指図に基づき、製造工程における工程検査を製造部が行い、品質管理部ではその検査記録が製品標準書または製品仕様書に定めた規格に適合するかを確認している。
一方、製品の検査は委託者との取り決め事項(検査の方法、判定基準等)に基づき、品質管理部が発行する「検体採取指図」に従い、採取された検体を検査し、その適否を確認している。
実施した検査結果は、「検体採取指図・採取記録・試験検査記録書」に記入され、品質管理責任者が確認・判定し、製造管理責任者に報告する。
原材料及び製品が規格外となった場合は、「品質情報処理手順書」に従い、品質情報処理記録書を記票、品質管理責任者、製造管理責任者及び製造管理者で情報を共有し、必要に応じて製造委.託者に報告して、是正や回収の指示を受ける。一方、この規格外に至った原因を究明すると共に改善措置を立案して、製造委託者に報告、指示従って処置している。
製品検査に適合した場合は、一連の製造記録、工程中の逸脱や変更など総合的に照合・確認して製品の出荷となる。